迎春。

今朝の春玲瓏として富士高し(廣津柳浪)

冬とはいえ、正月はどこかしら春がいくぶんか近くなった気持ちを抑えきれない。「玲瓏(れいろう)」などという言葉は、今や死語に近いのかもしれない。「うるわしく照りかがやくさま」と『広辞苑』にあるとおり、晴ればれとして曇りのない天気である。霞たなびく春ではない。作者はどこから富士を望んでいるのか知りようもない。まあ、どこからでもよかろう。今でも、都内で高層ビルにわざわざ上がらなくても、思いがけない場所からひょっこりと富士山が見えたりして、びっくりすることがある。そのたびにやっぱり富士ってすげえんだと、改めて思い知らされることになる。空気が澄んでいて、いつもより一段と富士山が高く感じられるのであろう。あたりを払って高く感じられるだけでなく、その姿はいつになく晴ればれとしたものとして感受されている。「今朝の春」という季語は「初春」「新春」「迎春」などと一緒にくくられているところからも、春浅く、まだ春とは名ばかりといったニュアンスが含まれている。作者の頭には「一富士、二鷹、三茄子」もちらついていたのかもしれない。さっそうとしてどこかしらめでたい富士の姿。芭蕉の「誰やらが形に似たりけさの春」は春早々のユーモア。深刻・悲惨な小説を書いた柳浪にしては、からりとして晴朗な新春である。


どんど焼き。

水仙の花に埃や小正月(藤森成吉

どんど、どんど焼きを使った句でピンとくるものが小生にはみつからなくてこの句にしました。
そのことを知っている人は少ないと思われるが、元日から始まる正月が「大正月」と呼ばれる。それに対して、1月14~16日は「小正月」と呼ばれるということ。小生も「大正月」という呼び方は知らなかった。「大正月」の終わりの日が「小正月」になる。また「大正月」が「男正月」とも呼ばれるのに対し、「小正月」は「女(め)正月」とも呼ばれる。この呼び方は知っていた。現在ではどうなっているかわからないが、この日に女性だけで酒盛りをする地方もあったとか。私が子どものころ、この日ばかりは父が朝飯を炊いていたことを記憶している。「女は休んで、男が台所をする日」と教わった。へえ。働き者の母はちゃんとゆっくり休んでいたのだろうか? 「女正月」は年末年始に格別忙しかった女性を、慰労する意味があったものと思われる。毎日、きちんと水仙の面倒を見ていた女性が、この日ばかりは休んでいるから、水仙の花にうっすらと埃がついているというのだろう。どことなくのんびりした雰囲気が漂っていて、結構な風習じゃないか
 
「どんど」「どんど焼き」新年の季語であり江戸時代から行われていた行事で、正月に飾った門松・注連飾り、書初めなどを集めて、1月15日に神社などで焚きます。
「左義長(さぎちょう)」ともいわれます。
この火で焼いた団子や餅を食べると無病息災、書初めの灰が高く上がると字が上達するといわれています。
地域によって、「どんど、どんど焼き」「とんど、とんど焼き」「どんどん焼き」など、様々な呼ばれ方をします。
 
どんど焼き&もちつき大会 (令和5年1月8日(日)9時30分~11時9小倉城広場にて)line・Twitter・Instagramで動画準備中です
しばらくおまちください


節分。

節分のおに役母がやればいい(小学生作品)

「節分の鬼役は、父でなく母がやればいいのに」と、こっそり思う小学生。実は小生も少なからず思ってた事である小生だけでなく他にも思ってる仲間がいると思ったものです。
2月3日節分
明日4日は立春
明後日5日は初午(旧暦1/15)
6日は満月
立て続けである。
海苔巻きは食べず稲荷寿司を食べる。なんと初午の縁起のいい食べ物は稲荷寿司だそうでゆっくり冬眠中の熊がそろそろと外界へ出る準備がどんどん動いていく感。今や大量廃棄問題こそが風物詩とも言える恵方巻は、例年より多く並べられているように見えた。どう見ても売れ残る量だ。恐らくスシロー問題とは無関係だろうが,,,
恵方巻の発祥は大阪で、花街の遊び文化だったのではないかといわれているようですが、いつ・どこのものなのかはっきりしません。
さらに、昭和初期のデパートには「幸運の巻きすし」というチラシがあったりするようです。
日本独自の行事に進化した節分。
新旧を取り入れる中でうまれた地域性には面白さや「意外とハロウィンに似ているかも」と思わせる風習もあります。
今日は節分。歳の数だけ豆を食べるのはきつい歳になってきた、外の鬼より自分の中に長い事住んでいる鬼をどうにかせねばと思いながらも、親愛の情も育っているような。
(鬼を追い出すための節分私の心にも鬼はいるでもこの鬼時々抜け出す後を付けたらあなたの鬼と会っていたの,,,)なんてshort short storyもあるようで、さてさて、節分も終わり、季節の境目に出てくる鬼も追い払ったらいよいよ二十四節気は【立春】へと移り、七十二候は【東風解凍(はるかぜこおりをとく)】となりました。もちろんまだまだ寒いですし、「春とは名ばかりで…」なんて枕詞があちらこちらで聞こえて来る季節ですが、日中の日差しは暖かく、小さいながらも春を感じる時があります。
二十四節気と七十二候は
2023/2/4(土),如月,二十四節気「立春」,七十二候「初候 東風解凍」
2023/02/04:初候 東風解凍(はるかぜ こおりを とく)
2023/02/09:次候 黄鶯睍睆(うぐいす なく)
2023/02/14:末候 魚上氷(うお こおりを のぼる)


立春。

東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな(菅原道真)

春になって東風が吹いたならば、香りだけでも私のもとへ届けておくれ、梅の花よ。主人がいないからといって、春を忘れたらいけないよ
 
陰陽五行説で春は東に配されているという考え方があり、春の風は「東風」と書かれます。また、当時春は東からくると考えられていました。このことから、「東風」とは「春の風」であるという解釈もあります。
ちなみに、麻雀で4人が座るそれぞれの方向が東南西北の順番に並んでいるのは、五行説における春夏秋冬に対応しており、麻雀、七夕の五色の短冊の色や、鯉のぼりの5色の吹き流しの色も、この五行説の5色に基づいています。

立春

まだまだ寒い日が続きそうですが、暦の上ではもう春!
季節の変わり目です。だからなのか…?ものすごくNU・MU・I。ねむい。と小生の周りではよく耳にする、春眠暁を覚えずにはまだ少しばかり早いような,,,
2023年が、いよいよ、ほんとうにスタート!
って感じがします、楽しいことを自らの手で生み出して、生きていることそのものを祝福するような時間を過ごせますように、冬から春へ心も衣替えです。